BLOF理論– BLOF理論とは、3つの分野に分けて、科学的・論理的に営農していく栽培技術です。 –

BLOF理論』とは、BIO LOGICAL FARMING(生態調和型農業)の略で、科学的根拠および植物生理のデータにもとづき、今までの有機栽培に不足していた客観的裏付けによる栽培技術です。

おおまかに3つの分野にわけて、科学的・論理的に営農していきます。

  1. 作物の成長に最適なアミノ酸の供給
  2. 土壌分析・施肥設計にもとづいたミネラル肥料の供給
  3. 太陽熱養生処理を用いた土壌団粒形成、土壌病害菌抑制、水溶性炭水化物の供給
BLOF理論図解

以上の3つの分野で土壌のコンディションを整えて、有機作物の高収量・高品質・高栄養を実現する方法がBLOF理論です。

目次

作物の成長に最適なアミノ酸の供給について

植物の成長の基本となる細胞をつくるタンパク質、細胞壁をつくる食物繊維は、光合成によって合成される炭水化物が原料となります。

慣行栽培だと無機態窒素の配合された化学肥料と、光合成でつくられた炭水化物を使ってアミノ酸合成、タンパク質合成をおこないます。

一方でBLOF理論は、窒素源として有機窒素のアミノ酸肥料を使用しますので、以下のように炭水化物をあまり使わなくて済みます。

作物の成長に最適なアミノ酸の供給

そうすると余った炭水化物は、以下のように作物の強化や栄養の強化にまわり、病害虫に抵抗できるカラダをもちながら、高品質・高収量になります。

  • 作物の細胞壁の原料となる植物繊維(セルロース、ヘミセルロース)
  • 根から分泌される根酸の原料
  • 収穫物の栄養(でんぷん、糖、有機酸、抗酸化物質等)

土壌分析・施肥設計にもとづいたミネラル肥料の供給

作物は成長するために必要な元素(ミネラル)があり、それぞれの植物に対しての働きが異なります。

これらのミネラルを適切に絶えず供給するためには、土壌分析を行い、ほ場の養分過不足を調べ、土壌分析結果に基づいた施肥設計が重要となります。

またミネラルは、光合成をはじめとする生化学的な反応を制御していますので、ミネラルが不足した状態で窒素を施すと軟弱な成長となり、病気を引き起こしやすくなります。

そのため、必ずミネラル先行・窒素後追いとなるように施肥管理を行うことが重要となります。

太陽熱養生処理を用いた土壌団粒形成、土壌病害菌抑制、水溶性炭水化物の供給

高C/N比の中熟堆肥を土壌に施し、有用微生物を加えて耕うんした後、散水してマルチで畝を覆うようにして張って、積算温度が450℃~900℃に達するように処理します。

これによって期待できる効果は以下の3つになります。

  • 有用微生物が活動し植物に悪影響をもたらす病原菌を駆逐(高温期だと雑草の種子を死滅させます)
  • 土壌がふかふかになり、やわらかい土のおかげで植物が存分に根を張り養分を吸収できるようになる
  • 根から中熟堆肥に豊富に含まれる水溶性炭水化物を吸収し、高品質、高収量になる

BLOF理論まとめ

BLOF理論とは、以下のようにおおまかに3つの分野にわけて、科学的・論理的に営農していく栽培技術です。

  1. 作物の成長に最適なアミノ酸の供給
  2. 土壌分析・施肥設計にもとづいたミネラル肥料の供給
  3. 太陽熱養生処理を用いた土壌団粒形成、土壌病害菌抑制、水溶性炭水化物の供給

このようにBLOF理論とは、③太陽熱養生処理を大きな土台として、ミネラルの補給、炭水化物付き窒素の供給を組み合わせて高品質・多収穫を実現できる大きな可能性を秘めた栽培技術理論です。

私共JOAAは、この栽培理論を農業者さんに指導することで、新しい有機栽培の産地形成もおこなっています。

また㈱ジャパンバイオファームにおいても、その理論の詳細が掲載されていますので、参照されてください。

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ここで紹介したBLOF理論について、弊社代表取締役社長、一般社団法人日本有機農業普及協会インストラクターである元木雅人への勉強会・講習会については以下のお問い合わせフォームよりご依頼ください。

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